深夜のオンラインゲームのボイスチャット大声が原因で、家族や近隣住民から「うるさい」と苦情を受けてしまうケースは多いです。自分では大声を出していないつもりでも、想像以上に音が響いている可能性があります。
騒音トラブルは人間関係の悪化だけでなく、最悪の場合は退去や警察沙汰に発展するリスクも孕んでいます。正しい防音知識と適切な対策グッズを知ることは、周囲へのマナーとしても不可欠です。
結論としては、「ゲームの声がうるさい問題」は、「隙間対策 × 防音マイク × パーテーション」の3つを組み合わせるだけで大幅に改善できます。賃貸でも原状回復の範囲で実践できますので、ぜひ最後までチェックしてください。
- ゲームの声が騒音として伝わる物理的な仕組みとリスク
- 吸音と遮音の違いや空気伝播音と固体伝播音の基礎知識
- 賃貸でも導入可能な効果的な防音グッズと選び方
ゲーム中の声が騒音化する原因とリスクを解説
ゲーム中の話し声やリアクションが、なぜ周囲にとって不快な「騒音」となってしまうのか、その背景には心理的な要因と物理的な要因の両方が存在します。
ここでは、騒音が引き起こす具体的なトラブルのリスクと、音が伝わるメカニズム、そして誤った対策が招く危険性について解説します。
- 深夜のボイスチャットは騒音基準値(※)を超過しやすい。
- 音には「空気伝播音(声)」と「固体伝播音(振動)」があり、それぞれ対策が異なる。
- 安易な密閉空間の自作は、酸欠や熱中症などの事故につながる危険性がある。
(※ 参照:騒音に係る環境基準について | 環境省)
家族関係悪化・隣人通報にもつながる騒音トラブルの実態

オンラインゲーム、特にFPSなどの対戦型ゲームでは、連携を取るためのボイスチャットや叫び声、机を叩く「台パン」などの音が発生しがちです。これらの音は、無関係な家族や隣人にとっては突発的で不快な騒音でしかありません。
特に深夜帯は環境音が静かになるため、話し声は日中よりも明瞭に響きます。家族間であれば「うるさい」と直接注意される程度で済むこともありますが、集合住宅の隣人となると事態は深刻です。
直接的な苦情だけでなく、管理会社への通報や、警察に通報されるケースも(ごく稀ですが)存在します。一度「騒音主」として認識されると、その後の生活において些細な音でも過敏に反応されるようになり、最終的には退去を余儀なくされるリスクもあります。
なぜ声は漏れるのか?吸音/遮音と空気/固体伝播音の違い

効果的な防音対策を行うためには、音がどのように伝わるのか、その性質を正しく理解する必要があります。まず、音には大きく分けて2種類あります。
一つ目は空気伝播音(空気を振動させて伝わる音)。話し声、スピーカーからのBGM、叫び声などがこれに当たります。隙間から漏れ出しやすい性質があります。
もう一つは固体伝播音(床や壁などの物体が振動して伝わる音)。足音、椅子を引く音、机を叩く音などが該当します。建物の構造体を伝って遠くまで響く特徴があります。
- 空気伝播音:声・叫び声 → 隙間から漏れる
- 固体伝播音:足音・椅子 → 床・壁を伝って響く
また、多くの人が混同しがちなのが「吸音」と「遮音」の違いです。
吸音とは、音の反射を抑えて室内での反響を減らすことであり、スポンジ状の素材などが使われます。
一方、遮音とは、音を跳ね返して外に漏らさないようにすることであり、重くて密度の高い素材(遮音シートや石膏ボードなど)が必要です。
- 吸音:室内の反響を減らす(音質改善)
- 遮音:音を止める(重い素材が必要)

「吸音材を壁に貼れば音が漏れない」というのはよくある誤解です。
吸音材は室内の反響を抑えてマイク音質を良くする効果は高いですが、隣の部屋への音漏れを止める「遮音効果」はほとんどありません。
防音には「遮音」と「吸音」の組み合わせが必須です。
間違った対策が効果を生まない原因と安全面のリスク(酸欠・火災)


安価で手軽にできる防音対策として様々なDIY手法が紹介されていますが、中には効果が薄いだけでなく、生命に関わる危険性を伴うものも存在します。
例えば、「卵パックを壁に貼る」という方法は、素材が軽すぎるため遮音効果はほぼ無くり、凹凸による吸音効果も限定的です。むしろ害虫の温床になるリスクの方が高いでしょう。
さらに危険なのが、段ボールやクローゼットを利用した密閉空間の作成です。
防音性を高めようと隙間を完全に塞いでしまうと、換気が行われず、内部の二酸化炭素濃度が短時間で上昇します。
特にゲーム中はPCやモニターからの排熱に加え、人体からの発熱もあり、夏場などは短時間でサウナ状態となることもあります。
【注意】密閉空間の自作は重大なリスクを伴います
換気設備のない自作防音ブースに籠もっての長時間プレイは控えてください。最悪、酸欠や熱中症により意識を失う事態に至る可能性もあります。
また、難燃性ではない素材(段ボールや安価なウレタン)を使用した場合、配線のショートやタバコなどで火災が発生し、逃げ場を失うようなリスクもあります。
賃貸でゲーム実況の防音対策を行う場合の注意点


賃貸物件で防音対策を行う場合、最も気をつけるべきは「原状回復義務」です。
(参照:住宅:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について – 国土交通省)
壁に遮音シートを貼るために強力な接着剤や釘を使ってしまうと、退去時に高額な修繕費用を請求されることになります。
また、本格的なユニット防音室の設置は数百キログラムの重量があるため、床の耐荷重を超える可能性があり、管理会社や大家への事前の確認と許可が必須です。
無断で大掛かりな施工を行うことは契約違反となる場合があるため、基本的には「置くだけ」「掛けるだけ」の対策や、壁を傷つけない工法(マスキングテープと両面テープの併用や、突っ張り式の柱など)を選択することが重要です。
構造的に防音が難しい木造アパートなどの場合は、どれだけ対策をしても限界があるため、引っ越しを検討することも一つの選択肢となります。
ゲーム中の声の音漏れを防ぐ具体的対策とグッズの選び方
ここからは、実際にゲーム中の騒音を軽減するための具体的な手段を紹介します。予算や環境に合わせて、最も効果的な方法を組み合わせていくことが重要です。
- まずは隙間テープと防音カーテンで、音の漏れ出しやすい「開口部」を塞ぐ。
- 大声を出す場合は、マイクカバーや防音パーテーションで発生源に近い場所で対策する。
- 「台パン」や足音対策には、重量のある防音マットで振動をカットする。
まずは隙間テープとカーテンで「音の抜け道」を塞ぐ


音は水と同じように、わずかな隙間から漏れ出していきます。特にドアのアンダーカット(下の隙間)や窓のサッシ周辺は、音が素通りする最大の弱点です。
ここを塞ぐだけでも、隣室への音漏れを軽減する効果が期待できます。
- 隙間テープ:
ドアの戸当たりや窓枠に貼ることで気密性を高めます。100均でも入手可能ですが、耐久性と密閉性を重視するならホームセンター等で販売されているEPDMゴム製のものがおすすめです。 - 防音カーテン:
一般的なカーテンよりも厚手で重量があり、特殊な織り方やコーティングで音を遮ります。窓だけでなく、部屋のドアの前に吊るすことで、廊下への音漏れを防ぐ使い方も有効です。
カーテンを選ぶ際は、必ず「遮光1級」などの機能だけでなく、「防音」「遮音」と明記された重量のあるものを選びましょう。
また、サイズは窓枠よりも大きめにし、隙間を作らないように設置することがポイントです。
遮音効果を高めるには、カーテンの横や下の隙間を極力なくすことが重要です。カーテンボックスの使用や、リターン仕様(カーテンの端を壁側に折り返す)を活用すると良いでしょう。
もし「声そのもの」を下げたい場合は、防音マイクや口元デバイスを組み合わせるとさらに効果が高まります。
口元で音を止める!防音パーテーションやマイクカバーの効果


部屋全体を防音化するのが難しい場合、音の発生源である「口元」や「デスク周り」で音を減衰させるアプローチが有効です。
防音マイクカバー(減音デバイス)
口元を物理的に覆うタイプのデバイスは、叫び声を話し声レベルまで減衰させる強力な効果があります。
装着感や湿気の問題はありますが、コストパフォーマンスと遮音性能のバランスは非常に優れています。
mutalk 2は「声漏れを最大20dB低減」と公式に公表されており、深夜のVC用途では非常に高い効果があります。
デスク用吸音パーテーション
モニターや顔の周りを吸音材のパネルで囲うものです。これは主に「吸音」効果により、マイクに入る部屋の反響音を減らすことが目的ですが、高音域の音漏れを多少軽減する効果もあります。
ただし、これだけで大声が防げるわけではないため、あくまで補助的な対策と捉えましょう。
足音や振動には「防音マット」で固体伝播音を防ぐ


FPSで負けた時の「台パン」や、ホラーゲームで驚いた時の足踏み、ゲーミングチェアのキャスター移動音などは「固体伝播音」であり、カーテンや吸音材では防げません。
床に衝撃が伝わるのを防ぐ「防振対策」が必要です。
対策としては、厚手で重量のある防音マット(静床ライトなど)や、カーペットの下に敷く防音アンダーマット(足音マットなど)を重ねて敷くことが推奨されます。
ジョイントマットのような軽量なものではなく、ゴムや樹脂を含んだずっしりと重いマットを選ぶことで、振動エネルギーを効果的に吸収・遮断できます。
費用と性能で比較!ゲーム向けおすすめ防音グッズの選び方【比較表】


様々な防音グッズがありますが、予算と期待できる効果には相関関係があります。自身の環境と目的に合わせて最適なものを選択しましょう。
どれか1つで完璧に防音できるわけではなく、「隙間対策 × 声の遮断 × 振動対策」を組み合わせるのが最も効果的です。
| 対策・グッズ | 代表的な価格帯 | 防音性能 | 強み / 弱み | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|---|
| 防音マイク (mutalk等) | 2〜3万円 | ◎ (声漏れ20dB低減) | 強み:深夜の叫び声に最強。 弱み:装着に慣れが必要。 | 深夜のゲームVC・絶叫抑制・家族対策 |
| 吸音パーテーション | 1〜2万円 | ○ (高音域抑制) | 強み:デスク周りの反響を減らす。 弱み:“遮音”ではなく補助的。 | 声が響く部屋・配信の音質改善 |
| 隙間テープ 防音カーテン | 数百円〜1万円 | △ (開口部対策) | 強み:費用が安く即効性あり。 弱み:大声の遮音は限界あり。 | 「ドア・窓から漏れる声」を抑えたい人 |
| 防音マット (防振マット) | 3千円〜1万円 | ○ (固体音対策) | 強み:足音・椅子音に効果大。 弱み:声漏れには直接効かない。 | 台パン・足音・ゲーミングチェアの騒音対策 |
| 簡易防音室 (だんぼっち等) | 10〜15万円 | ○ (中程度の遮音) | 強み:小規模でも遮音を体感できる。 弱み:暑さ+換気+床耐荷重問題。 | ある程度の遮音空間が欲しい人 |
| ユニット防音室 (本格タイプ) | 70万円〜 (一般的には100万円以上) | ◎ (高遮音) | 強み:楽器演奏レベルまで完全遮音。 弱み:高額+設置の制約が多い。 | プロ配信者・楽器利用・本気で防音したい人 |
ゲームの防音に関するよくある質問
- 卵パックや段ボールでの自作防音に効果はあるのか?
-
ほとんど効果はありません。
防音(遮音)には「重さ」が必要です。卵パックや段ボールは非常に軽いため、音を遮る力が不足しています。また、隙間ができやすく音が漏れる上、衛生面や防火の観点からも推奨されません。
- クローゼットでゲームをすれば防音対策になるのか?
-
洋服が吸音材の代わりになり、扉があることで一定の防音効果は期待できます。
しかし、クローゼット内は空気が循環しないため、酸欠や熱中症のリスクが極めて高いです。換気扇の設置など適切な換気対策ができない限り、長時間こもってのゲームプレイは避けるべきです。
- マイクの感度調整で音漏れ対策になりますか?
-
間接的な対策になります。
マイク感度を上げ、口元にマイクを近づけることで、普段より小さな声でも相手に声を届けることが可能になります。物理的な防音と合わせて、声を張り上げない環境作り(設定調整)をすることも大切です。
- マイク設定だけで騒音は減らせますか?
-
「閾値(ノイズゲート)」を上げると小声でも拾えるようになり、大声を出す必要が減ります。
これは“間接的な防音対策”として非常に有効です。
まとめ:ゲームの声がうるさい問題を防音対策で解決
ゲーム中の声や音に関するトラブルは、適切な知識と対策グッズを用いることで、リスクを大幅に軽減することが可能です。
防音対策は「これをやれば完璧」という魔法のような方法はなく、隙間を埋める、振動を抑える、声を物理的に遮断するといった対策を積み重ねていくことが重要です。
また、物理的な対策だけでなく、「夜間は声を抑える」「窓を閉める」といったマナーを守る意識も忘れてはいけません。
自分自身のゲームライフを守るため、そして周囲の人々と良好な関係を維持するために、できることから対策を始めてみましょう。
- 音には空気伝播音(声)と固体伝播音(振動)があり、それぞれ対策が必要。
- 吸音材だけでは音漏れは防げない。「遮音」との組み合わせが必須。
- 自作の密閉ブースは酸欠など重大なリスクがあるため安易に行わない。
- 賃貸では原状回復を考慮し、カーテンや置くだけのグッズを活用する。
- 防音マイクなどのデバイス活用は、コストパフォーマンスが高い対策の一つ。











