睡眠用防音ドームを自作する方法 3選 | 効果と酸欠などの注意点も解説

周囲の生活音や光が気になり、睡眠環境を改善するために防音ドームの自作を検討するケースが増えています。

市販品は高価であるため、ダイソーなどの100均素材や段ボール、ニトリの製品などを活用して、安価に安眠ドームを作成したいと考えるのは自然な流れです。

しかし、自作にはコスト面のメリットがある一方で、「作ったけど暑くて寝られない」「段ボールの臭いが気になる」といった失敗談も多く、最悪の場合は酸欠などの健康被害リスクも潜んでいます。

この記事では、安全な自作手順の解説と合わせて、お勧めの「自作ドーム＋〇〇」の組み合わせについても詳しくご紹介します。

睡眠用の防音ドームを自作する3つの方法

手軽に入手できる材料を使って、睡眠環境を改善するためのドームを作成する手法はいくつか存在します。ここでは、コストを抑えつつ一定の効果を目指すための代表的な3つのアプローチについて解説します。

方法１. ダイソーのワイヤーネット等100均の材料と枠組み

作業難易度：★1（非常に簡単）

コストを最小限に抑えつつ、通気性と遮光性を確保したドームを作るには、100円ショップで手に入るワイヤーネットを骨組みにする方法が有効です。

ワイヤーネットは軽量で強度があり、結束バンドで固定するだけで立体的な構造を作れるため、DIY初心者でも取り組みやすい素材といえます。

必要な材料と入手先

• ワイヤーネット（約40cm×40cmなど）：5〜6枚（ダイソー・セリア等）
• 結束バンド：1パック（ダイソー・セリア等）
• 遮光フェルトまたは厚手のブランケット：2〜3枚（ダイソー・セリア等）
• クリップまたは洗濯バサミ：適量（ダイソー・セリア等）

作成手順

手順1：骨組みの組み立て

ワイヤーネットを結束バンドで連結し、頭が入るサイズの箱型（底面なし）またはアーチ型を作ります。枕のサイズに合わせて幅を調整することがポイントです。

手順2：カバーの取り付け

組み上がった骨組みの上に、遮光フェルトやブランケットを被せます。隙間ができないようにクリップで固定します。

手順3：通気口の確保

完全に密閉せず、足元側や側面の一部を少し開けて空気の通り道を確保します。

 通気性に関する注意

厚手の布を重ねすぎると通気性が悪化します。必ず空気の出入り口を確保し、息苦しさを感じない構造にすることが重要です。

方法２. 段ボールを使った安眠ドームの作成手順

作業難易度：★2（簡単だが設計が必要）

段ボールはスーパーなどで無料で入手できる場合もあり、遮光性が高く、加工もしやすいため、とりあえず試してみたい場合に適した素材です。ただし、湿気を吸いやすく熱がこもりやすい特性があるため、設計には工夫が必要です。

必要な材料と入手先

• 大きめの段ボール箱：1〜2個（スーパー等で入手可能）
• ガムテープまたは布テープ：1個（ホームセンター・100均）
• カッターナイフ：1本
• リメイクシート（装飾用）：お好みで（100均）

作成手順

手順1：段ボールのカット

段ボールのフラップ（蓋部分）を切り落とし、頭と肩が入るアーチ状になるように側面をカットします。

手順2：連結と補強

サイズが足りない場合は複数の段ボールをガムテープで連結します。内側が暗くなるように隙間を目張りします。

手順3：ベンチレーション（換気口）の作成

天井付近と側面下部にカッターで穴を開け、空気の対流を作ります。これが酸欠防止の鍵となります。

定期的に新しいものと交換するか、内側にリメイクシートを貼って吸湿を防ぐ工夫が有効です。

方法３. ニトリ製品で睡眠防音ドームを強化・代用する

作業難易度：★3（重量対策が必要）

自作ドームの弱点である「遮音性」と「遮光性」を補うために、ニトリなどで販売されている高機能カーテンを素材として流用する方法が最も効果的です。

特に遮音機能付きのカーテン生地は、段ボールや薄い布よりも高い効果が期待できます。

活用できるニトリ製品例

ニトリの「遮音カーテン」は、生地の裏面に樹脂コーティングが施されており、高音域の騒音や光を効果的に遮断します。（参照：日本インテリア協会『生地の機能性について｜カーテンの選び方』）

自作ドームの性能を一段階引き上げたい場合に推奨される素材です。

• 遮光1級・遮熱・遮音カーテン（ノーブル3など）： ドームのカバー素材として使用。
• ポップアップ式蚊帳やテント： 骨組みとして使用し、その上からカーテンを掛ける。

強化手順

手順1：骨組みの用意

100均のワイヤーネットや、市販の安価なポップアップテントを用意します。

手順2：遮音カーテンの設置（突っ張り棒推奨）

遮音カーテンは重量があるため、ワイヤーネット等の簡易な骨組みでは重さに耐えきれず潰れる可能性があります。

おすすめは、ベッドのヘッドボード付近に短めの突っ張り棒を渡し、そこにカフェカーテンスタイルで吊るす方法です。これなら骨組み不要で、安全かつ確実に「遮音壁」を作ることができます。

睡眠防音ドームの自作で失敗しない注意点と効果

自作ドームは手軽な反面、物理的な限界や安全性におけるリスクが存在します。これらを理解せずに制作・使用すると、効果が得られないばかりか健康被害を招く恐れがあります。

自作ドームの防音効果と遮音の限界【物理的真実】

結論として、段ボールや布で作った簡易的なドームでは、話し声や足音などの「騒音」を劇的に消すことは物理的に困難です。

防音には「質量則」という物理法則があり、重い素材ほど音を遮る能力が高くなります。軽量な素材で構成される自作ドームは、質量が圧倒的に不足しています。（参照：日本音響学会『やさしい防音講座 防音の基礎知識』）

期待できる効果としては、扇風機の風切り音や電子音などの「高音域」が若干マイルドになる程度です。

また、視界が遮られることによる「イグルー効果（適度な閉塞感による安心感）」や、プラセボ効果によって、感覚的に音が気にならなくなる心理的な側面が大きいです。

  防音の現実

自作ドーム単体での高い遮音効果は期待できません。耳栓やノイズキャンセリングイヤホンと併用することで、初めて静寂な環境に近づけることができます。

睡眠時の酸欠や熱中症など安全上の注意

最も警戒すべきは、ドーム内の二酸化炭素濃度上昇による酸欠（高炭酸ガス血症）と、熱のこもりによる熱中症です。

睡眠中は呼吸によってドーム内に二酸化炭素が充満しやすく、換気機構のない密閉空間では危険な濃度に達する可能性があります。

 【注意】窒息・酸欠のリスク

隙間をテープで完全に塞ぐなどの密閉工作は絶対に行わないでください。

自分の吐いた息を再び吸い込む「再呼吸」状態が続くと、頭痛、めまい、最悪の場合は意識障害を引き起こす恐れがあります。(参照：厚生労働省『建築物環境衛生管理基準の検討について』)

必ず十分な開口部や、USBファンによる強制換気システムを導入することが重要です。

ベルメゾン等の市販品と自作の比較

自作するか、IGLOO（イグルー）などの市販品を購入するか迷う場合、
安全性と手軽さを重視するなら市販品、
コストダウンとサイズ調整を重視するなら自作が適しています。

市販品は、吸音素材の選定や通気口の配置など、安全かつ快適に眠れるよう設計されています。

項目	自作ドーム（100均・段ボール）	市販品（IGLOO等）
価格帯（目安）	500円〜3,000円	8,000円〜15,000円
防音性能	△（気休め程度・高音のみ）	〇（吸音材による減衰効果あり）
安全性（通気）	△（設計次第で低くなる）	◎（計算された通気構造）
設置の手間	工作が必要	置くだけ
おすすめ用途	遮光メイン・お試し	本格的な睡眠環境改善

確実な効果と安全性を求めるのであれば、専門医が監修した市販の安眠ドームを検討するのが賢明な選択肢といえます。

 プロの設計による遮光性と吸音性を兼ね備え、安全に安眠環境を整えたい方に適しています。

ホームセンターの素材（吸音材）で防音性を高める

自作ドームの性能を向上させるには、ホームセンターや通販で入手できる本格的な「吸音材」や「遮音シート」の使用が有効です。ただし、重量が増加するため骨組みの強化が必須となります。

推奨される組み合わせ

• 内側：ウレタン吸音材
  ドーム内部での音の反響を抑え、自分の呼吸音などが響くのを防ぎます。これにより静寂感が増します。
• 外側：遮音シート（ゴム製など）
  外部からの音を跳ね返す役割を持ちますが、非常に重いため、段ボールやワイヤーネットの強度では支えきれない場合があります。

自作ドームに貼る場合は、全体を覆うのではなく、騒音源となる方向（窓側や壁側）に限定して貼るのが現実的です。

口コミで見る自作の失敗例と対策

実際に防音ドームを自作した人々の口コミを分析すると、成功例だけでなく多くの失敗談が見受けられます。これらを事前に把握することで、無駄な労力を防ぐことができます。

評価	口コミ要約
良い口コミ	「100均で作ったが、光が遮断されてよく眠れるようになった」 「囲われている安心感があり、入眠までの時間が短くなった」
悪い口コミ	「夏場は暑くて使えない」 「段ボールの臭いが気になって逆に眠れない」 「期待したほど音が消えず、結局耳栓を使っている」
中立意見	「冬場は顔が暖かくて保湿になるが、夏は無理」 「防音というよりは、視界を遮るためのグッズと割り切れば優秀」

主な失敗対策

• 暑さ対策： 夏場は使用を控えるか、メッシュ素材を多用して遮光機能のみに絞る。
• 臭い対策： 新品の段ボールを使用せず、プラスチックダンボール（プラダン）など無臭の素材を選ぶ。

睡眠防音ドームの自作に関するよくある質問

自作ドームでイビキの音は防げますか？

自分のイビキが家族に聞こえないようにする効果、あるいはパートナーのイビキを防ぐ効果ともに、自作レベルの軽量ドームでは限定的です。

イビキのような低周波を含む音は薄い壁を透過しやすいため、耳栓との併用を推奨します。

子供や赤ちゃんに使用しても安全ですか？

乳幼児への使用は避けた方が安心です。

自分でドームを退かすことができない乳幼児の場合、窒息やSIDS（乳幼児突然死症候群）のリスクが高まる可能性があります。また、熱がこもりやすいため体温調節機能が未熟な子供に使用するには細心の注意が必要です。

100均の材料だけで防音効果は出せますか？

「防音（遮音）」効果を出すことは難しいです。

100均のフェルトやボードでは質量が足りません。あくまで「遮光」と「安心感（リラックス効果）」を得るためのものと割り切って作成することをおすすめします。

睡眠用防音ドームを自作して質を高めよう

睡眠用の防音ドームは、100均のワイヤーネットや段ボール、ニトリのカーテンなどを活用することで、低コストで自作することが可能です。

しかし、物理的な重量の制約から高い防音効果を得ることは難しく、あくまで遮光や安心感を得るための補助的なアイテムとしての側面が強いことを理解しておく必要があります。

また、密閉性を高めすぎることによる酸欠や熱中症といった健康リスクには最大限の注意を払わなければなりません。本格的な静寂を求める場合は、「自作ドーム（遮光）」＋「高性能耳栓（防音）」のハイブリッドが正解です。

特に米軍でも採用されている「MOLDEX（モルデックス）」等の耳栓は、数百円で格段に遮音効果を発揮します。まずは耳栓で音を消し、ドームで光を消す。この組み合わせを試してみてください。

• 自作ドームは「遮音」より「遮光・安心感」の効果が大きい
• 密閉は厳禁であり、必ず通気口やファンで換気を確保する
• ニトリの遮音カーテンを流用すると性能が向上しやすい
• 段ボール素材は湿気や臭いの問題があるためプラダンが推奨される
• 本格的な騒音対策には耳栓との併用が必須である