遮音カーテン効果ない説の真相 | ニトリと最強モデルの選び方＆隙間対策

遮音カーテンは効果ないという口コミを見て、購入を迷っている方は多いかもしれません。確かに、ただ吊るすだけでは劇的な防音効果を感じにくいケースがあるのは事実です。

しかし、音の性質や正しい設置方法を理解することで、話し声や生活音の悩みを軽減できる可能性は十分にあります。

ニトリなどで手軽に購入できる製品でも、隙間対策を徹底するかどうかで結果は大きく変わります。

この記事では、防音カーテンの効果的な使い方や、効果が出にくい理由、そして最強の環境を作るための選び方について詳しく解説します。

遮音カーテンは効果ないという誤解と真実

防音カーテンを導入しても期待した効果が得られない場合、その原因の多くは音の種類とのミスマッチや設置環境の不備にあります。ここでは、カーテンが持つ本来の防音性能と、物理的な限界について解説します。

防音カーテンに効果はある？【誤解と真実】

結論からお伝えすると、防音カーテンは「全ての音を消す魔法の布」ではありませんが、特定の音域に対しては確実に軽減効果を発揮します。

多くの人が「効果がない」と感じてしまう最大の要因は、防音カーテンに対する過度な期待と、防ぎたい音の性質が合っていないことにあります。

音には空気中を伝わる「空気伝搬音」と、壁や床を振動させて伝わる「固体伝搬音」があります。

防音カーテンが効果を発揮するのは、主に空気伝搬音の中でも「中高音域」と呼ばれる種類の音です。
（参照：国立環境研究所｜騒音に関する基礎資料）

具体的には、女性の話し声、ペットの鳴き声、食器の触れ合う音、遠くのサイレン音などがこれに該当します。これらの音は波長が短く、カーテンのような繊維素材でもエネルギーを減衰させやすい性質を持っています。

一方で、男性の低い話し声、トラックの走行音、工事現場の重機音、階上の足音といった「低音域」や「振動音」に対しては、カーテンの質量だけでは防ぎきることが難しく、透過してしまう傾向があります。

また、防音カーテンの役割には「遮音（音を跳ね返す）」と「吸音（音を吸収する）」の2つの側面があります。多くの防音カーテンは、生地を厚くしたり特殊なコーティングを施したりして重量を増し、遮音性を高めています。

同時に、多層構造にすることで吸音効果も狙っています。これにより、窓から入る音を少し減らし、室内で響く音を抑えることで、体感的な静けさを作り出すのが防音カーテンの現実的な役割です。

ニトリの遮音カーテンの効果と限界

ニトリの遮音カーテンはコストパフォーマンスに優れ、生活音レベルの対策としては有効な選択肢ですが、本格的な防音室のような性能を求めるのは難しいでしょう。

ニトリで販売されている「遮音」機能付きのカーテンは、一般的に裏面に樹脂コーティング加工が施されています。これにより生地の気密性を高め、音を通しにくくする構造になっています。

手軽に購入できる価格帯でありながら、遮光性や断熱性も兼ね備えているため、初めての防音対策として導入しやすいのがメリットです。

しかし、専門店で扱われているプロ仕様の防音カーテンと比較すると、どうしても「重量」の面で差が出ます。防音の基本原理として「質量則」というものがあり、物質が重ければ重いほど音を遮る力は強くなります。

ニトリの製品は家庭での扱いやすさ（洗濯のしやすさやレールの耐荷重）を考慮して設計されているため、重厚な防音専用カーテンに比べると、低音域や大音量の騒音に対する阻止力は限定的にならざるを得ません。

実際に使用した方の声を整理すると、以下のような傾向が見られます。

評価	口コミの傾向（要約）
良い口コミ	「外からの話し声が少し遠くなった気がする」 「部屋の反響が減って落ち着いた」 「冷暖房の効きが良くなった」
悪い口コミ	「トラックの走行音は全く変わらない」 「隣の部屋の騒音には効果がなかった」 「期待しすぎてガッカリした」
中立意見	「劇的な変化はないが、ないよりはマシ」 「精神的な安心感はある」 「隙間を埋めないと意味がない」

このように、ニトリの遮音カーテンは「少しでも静かな環境を作りたい」「生活音をマイルドにしたい」という目的であれば満足できる可能性がありますが、過酷な騒音環境や完全な静寂を求める場合には、力不足を感じるリスクがあることを理解しておくことが大切です。

「隙間」が命取り！効果なしと言われる物理的理由

どんなに高性能な防音カーテンを選んだとしても、窓とカーテンの間に隙間があれば、そこから音が漏れ出してしまい、防音効果は期待できません。

音は水と同じような性質を持っており、わずかな隙間からでも侵入し、室内全体に広がろうとします。これを「回折（かいせつ）現象」と呼びます。
（参照：環境省｜環境白書）

特に窓周りには、カーテンレールの上部、左右の側面、床との接地面、そしてカーテン同士の合わせ目など、多くの隙間が存在します。これらの隙間が合計でハガキ1枚分ほどの面積になるだけで、防音性能は大きく低下するとも言われています。

「高いカーテンを買ったのに効果がなかった」というケースの多くは、実はカーテンの性能以前に、この「隙間」の処理が不十分であることが原因である可能性が高いです。

例えば、既製品のカーテンを買って丈が足りず、裾が床から浮いている状態では、そこから音が自由に出入りしてしまいます。また、カーテンレールの上部がガラ空きであれば、天井付近で反射した音がそのまま室内に入ってきます。

物理的に音を遮断するためには、窓を壁のように密閉に近い状態にする必要があります。カーテンだけでこれを実現するのは構造上難しい部分もありますが、隙間をいかに減らすかが防音対策の成否を分ける最重要ポイントと言っても過言ではありません。

逆に言えば、ニトリなどの一般的な遮音カーテンであっても、隙間対策を徹底することで、そのポテンシャルを最大限に引き出し、ワンランク上の静寂性を得られる可能性があるのです。

防音カーテンで話し声は防げるか（ニトリ製品の限界も含む）

女性や子供の高い話し声であれば軽減効果を感じやすいですが、男性の低い話し声や怒鳴り声などを完全に防ぐことは、ニトリ製品に限らずカーテン単体では困難な場合があります。

話し声の周波数帯域は、一般的に男性で500Hz前後、女性で1000Hz前後と言われています。

防音カーテンは周波数が高いほど遮音しやすい特性があるため、女性の井戸端会議の声や、子供が遊ぶ声などは、「カーテンを閉めると少し遠くに聞こえる」といったレベルまで軽減できることが期待できます。

これは、窓ガラスだけでは透過しやすい高音域を、カーテンの繊維とコーティング層が吸収・反射してくれるためです。

一方で、男性の低い声はエネルギーが強く、物質を透過する力が強いため、カーテン程度の厚みでは素通りしてしまうことが多いです。特にニトリなどの量販店モデルは、重量が軽量に作られているため、この傾向が顕著になります。

「隣の男性の話し声がうるさい」という悩みに対して、ニトリの遮音カーテンだけで対応しようとすると、「思ったほど変わらない」という結果になりやすいのはこのためです。

また、話し声が「どこから聞こえてくるか」も重要です。窓の外からの話し声であればカーテンで一定の効果が見込めますが、隣の部屋や廊下から壁やドアを伝ってくる話し声の場合、窓にカーテンをつけても意味がありません。

自分の声が外に漏れるのを防ぎたい場合、カーテンは「吸音」の効果で部屋の響きを抑え、結果的に外への音漏れを軽減するのに役立ちます。テレワークや通話の際は、カーテンに向かって話すようにすると、より効果的です

遮音カーテンが効果ない時の対処法

カーテンを設置しても音が気になる場合、諦める前に試すべき工夫があります。ここでは、既存のカーテンの性能を引き出す方法や、より強力な製品の選び方、そしてカーテン以外の選択肢について解説します。

ニトリ・専門店の遮音カーテンを最強にする隙間対策

今ある遮音カーテンの効果を底上げするためには、カーテン周りの隙間を物理的に塞ぐDIY対策が最もコストパフォーマンスに優れた方法です。

「効果がない」と感じたら、まずはカーテンの周囲を確認してみてください。光が漏れている場所は、音も漏れている場所です。以下の対策を組み合わせることで、密閉度を高めることができます。

1. サイド（側面）の隙間対策

カーテンの両端を壁に密着させることが重要です。これには「リターン縫製」という手法が有効ですが、既製品の場合は、カーテンの端をレールの側面（リターン金具）まで引っ張って覆うか、壁にマグネットやマジックテープを貼り付けて固定する方法があります。これにより、横からの音の回り込みを防げます。

2. 上部の隙間対策

カーテンレールの上は大きな音の通り道です。ここに「カーテンレールカバー」を取り付けるのが効果的です。専用の製品も販売されていますが、プラスチック段ボール（プラダン）や木材を使ってDIYで作ることも可能です。レールの上を箱状に覆うことで、上部からの音の侵入とホコリを防ぎます。

3. 中央の合わせ目対策

カーテンを閉めた時、中央に隙間ができていませんか？ここには強力なマグネットを縫い付けるか、クリップで留めることで隙間をなくせます。生地が重なり合う部分を広めに取る（交差ランナーを使用する）のも有効です。

4. 裾（下部）の隙間対策

ここが盲点になりやすいですが、カーテンの丈を床ギリギリ、あるいはあえて床に垂らす（ブレイクスタイル）長さにすることで、下からの音漏れを防ぎます。アジャスターフックで丈を微調整できる場合もあるので確認してみましょう。

 注意：
カーテンレールカバーなどを自作する場合、レールの耐荷重に注意が必要です。重すぎる素材を載せるとレールが変形したり落下したりするリスクがあります。軽量な素材を選ぶのが安心です。

遮音カーテンおすすめと選び方

より高い防音効果を求めるなら、「重さ」と「多層構造」を重視して選ぶことが重要で、時には専門店の実力派製品を検討する価値があります。

選び方の基準として、まずチェックすべきは「重量」です。ペラペラの軽い生地よりも、ずっしりと重い生地の方が音を遮る力は強くなります。

次に「構造」です。表地と裏地の間に特殊なシートを挟んだり、コーティングを何層にも重ねたりしている多層構造のカーテンは、遮音と吸音の両方の効果を高めています。

用途と予算に合わせた選び方の目安は以下の通りです。

タイプ	価格帯(目安)	防音性能	おすすめ用途
ニトリ・量販店モデル	3,000円〜10,000円	△	生活音の軽減、初めての対策、安価に抑えたい場合
専門店の高機能モデル	10,000円〜20,000円	◯	話し声やテレビの音漏れ対策、より確実な効果が欲しい場合
最強クラス（5重構造等）	20,000円〜	◎	ピアノ等の楽器対策、深刻な騒音悩み、現状で最大限の対策をしたい場合※1

※1 本格的な楽器演奏には床・壁・天井を含めた防音構造や防音室が必要になる場合が多いです。

防音専門店「ピアリビング」などが販売しているカーテンは、プロ仕様に近い設計で作られており、一般的な遮音カーテンとは一線を画す性能を持っています。特に「5重構造」などの製品は、重量もかなりのものになりますが、その分、音の減衰効果も期待できます。

もし本格的な導入を検討されるなら、以下の製品は定番として知られています。

おすすめ製品例：

より高い遮音性を求めるなら、音を徹底ガードするこちらの製品が選択肢に入ります。

カーテンの防音効果をどれくらい期待できるか（dBの目安）

カーテンによる防音効果は、数値にすると数デシベルから最大でも10デシベル程度であり、体感としては「音が少し遠くなった」「角が取れた」と感じるレベルが一般的です。

音の大きさはデシベル（dB）で表されますが、一般的に10dB下がると、人間の耳には「音が半分の大きさになった」と感じると言われています。

高性能な防音カーテンを隙間なく完璧に設置した場合、中高音域で10dB前後の減衰効果を示すデータもありますが、実際の住環境では隙間の影響などでそこまでの数値が出ないことも多いです。

例えば、外の騒音が70dB（掃除機の音レベル）あるとして、カーテンで5dB下がって65dBになったとしても、「うるさい」という感覚は劇的には変わらないかもしれません。

しかし、40dB（図書館レベル）の静かな部屋で、隣の部屋のテレビ音が聞こえてくるような状況であれば、数dB下がるだけで「気にならなくなった」と感じることもあります。

つまり、元の騒音レベルが大きすぎる場合や、重低音の場合は効果を感じにくく、比較的静かな環境での微細な音や、高音域の音に対しては満足度が高くなる傾向にあります。

「無音にする」のではなく、「不快感を和らげる」ツールとして捉えるのが適切です。

効果なしと諦める前に検討すべき内窓などカーテン以外の根本対策

カーテンでの対策に限界を感じたり、より高いレベルの静寂を求めたりする場合は、窓自体の防音性能を根本から変える「内窓（二重窓）」の設置が最も確実な解決策となります。
（参照：YKK AP 公式｜内窓「プラマードU」防音性能ページ）

内窓とは、今ある窓の内側にもう一つサッシを取り付けるリフォームのことです。「インプラス（LIXIL）」や「プラマードU（YKK AP）」などが有名です。

内窓を設置すると、既存の窓との間に大きな空気層が生まれ、さらに気密性の高いサッシで隙間を完全に塞ぐことができるため、防音性能は劇的に向上します。

カーテンとは比較にならないほどの効果があり、交通量の多い道路沿いや線路沿いでも、条件によって図書館並みの静けさを実現できるケースもあります。

費用は数万円から十数万円とかかりますが、防音だけでなく断熱効果による光熱費の削減も期待できるため、長期的に見ればコストパフォーマンスは悪くありません。

最近では、賃貸物件でも原状回復が可能な簡易内窓キットや、DIYで作れるポリカーボネート製の内窓も存在します。

 注意：
賃貸物件で本格的な内窓リフォームを行う際は、必ず管理会社や大家さんの許可が必要です。無断で施工すると退去時にトラブルになるリスクがあります。まずは「原状回復可能な簡易キット」や「ガラス戸レールを使ったDIY」から検討するのが安心です。

遮音カーテンに関するよくある質問

遮光カーテンと遮音カーテンの違いは何ですか？

遮光カーテンは光を遮ることを主目的としていますが、生地の密度が高いため、結果的にある程度の防音効果を持つものが多いです。

一方、遮音（防音）カーテンは、さらに樹脂コーティングや多層構造によって「音を防ぐこと」を強化して設計されています。本格的な対策なら「遮音」や「防音」と明記されたものを選ぶのが安心です。

防音カーテンは洗濯できますか？

製品によります。

裏面に樹脂コーティングが施されているタイプは、洗濯機で洗うとコーティングが剥がれたり劣化したりするリスクがあるため、「手洗い」や「ドライクリーニング」が推奨されることが多いです。購入前に必ず洗濯表示を確認しましょう。

レースの防音カーテンだけでも効果はありますか？

防音レースカーテン単体での効果は非常に限定的です。

通常のレースカーテンよりは厚手で音を軽減しますが、それだけで騒音を防ぐのは難しいでしょう。厚手の防音カーテンと組み合わせて「二重」で使うことで、空気層を作り出し、全体の防音効果を高める補助的な役割として使うのがおすすめです。

遮音カーテンは効果ないのかまとめ

遮音カーテンは、音の物理的な性質上、全ての騒音をシャットアウトできるわけではありません。特に重低音や振動音に対しては効果が薄いため、「効果ない」という評価につながることがあります。

しかし、女性の話し声や生活音などの高音域に対しては一定の軽減効果があり、何より「隙間対策」を徹底することで、その性能を大きく引き上げることが可能です。

ニトリなどの手軽な製品から始める場合でも、設置方法を工夫することで、今より快適な環境を作ることは十分にできます。

• 防音カーテンは高音域や生活音の軽減には有効だが、重低音には限界がある。
• 効果を感じられない最大の原因は、窓とカーテンの間の「隙間」にあることが多い。
• サイド、上部、下部、合わせ目の隙間を物理的に塞ぐことで防音効果は向上する。
• 本格的な対策を求めるなら、重量のある多層構造カーテンや専門店の製品を選ぶ。
• カーテンで解決しない深刻な騒音には、内窓（二重窓）の設置が最も確実な解決策となる。